10/100BASEネットワークボード装備のパソコンが増え、ここ1年で100BASE用LAN機器の価格が下がっているので、LANの100BASE移行を考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、100BASEではより高い精度や品質が必要であり、10BASEでは隠れていた問題が出てくるがあります。よくある例について、いくつかをご紹介します。
■LANケーブルの種類
10/100BASEでは、4対(8芯)のうち、1,2,3,6の4本のみを使っています。TIA/EIA568Aまたは TIA/EIA568B配列のLANケーブルを使っていれば、100BASEに移行しても問題ありません。しかし、線色が順に並んでいるケーブルやISDN用ケーブルを使っている場合には、100BASEではエラーが多発し、思うような通信速度が得られません。100BASEにしても通信速度が遅い場合は、LAN内のケーブルすべてをチェックし、線色が順に並んでいるケーブルやISDN用ケーブルがあった場合は、TIA/EIA568Aまたは
TIA/EIA568B配列のLANケーブルに取り替えてください。
■コネクタの加工状態
ツイストペアのLANケーブルは、線を2本ずつ撚ることにより、対ノイズ性を上げています。コネクタ取りつけ時に撚りを戻した部分が長すぎると、100BASEではエラーの原因となります。もし、そのようなコネクタがあれば、極力撚り戻し長さが短くなるようにコネクタを加工し直してください。
■LANケーブルの配線状態
ツイストペアのLANケーブルは、曲げることにより各対の撚り間隔がバラツキ、エラーの原因になることがあります。配線の曲がりはなるべくR20cm(少なくともR10cm)くらい取るようにしてください。
■100BASE用HUBの選びかた
100BASE用HUBには、いろいろな種類があります。カタログの次の項目をチェックし、自分のLANにあったものを選びましょう。
◎10/100BASE自動認識
LAN内に10BASEの機器が残る場合は、10/100BASE自動認識HUBを選びます。各ポート毎に接続された機器のネットワークボードを認識し、自動的に速度を切り替えて動作します。10/100BASE自動認識HUBには、遅い機器に送るときにデータを溜めるバッファメモリがあるので、HUBを選ぶときはバッファメモリの容量もチェックしましょう。
◎スイッチング
100BASE化の目的がLANの高速化なら、より通信効率のよいスイッチングHUBをお勧めします。各ポート毎に接続された機器のネットワークアドレスを学習し、必要なポートにのみデータを流すので、データの衝突が少なく効率的に使えます。スイッチングHUBを選ぶときは、ネットワークアドレスの学習容量やスイッチングの付加機能をチェックしましょう。
◎スタッカブル
10BASEではHUBを4段までカスケード(Up-link)接続できましたが、100BASEでは2段までしかできません。多くのパソコンを接続する場合は、スタッカブルHUBをお勧めします。複数のスタッカブルHUBをスタック接続ポートで接続すると、ネットワーク上では1台のHUBと認識されるので、パソコンが増えてもあとからポートを追加できます。
◎冷却ファン
スイッチングHUBなど複雑な処理をする機器では、冷却ファンが内蔵されているものが多いのですが、実際使うと結構うるさいものです。もしあまり大規模なHUBや高機能なHUBが必要でなければ、冷却ファンの有無もチェックすることをお勧めします。